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1000台が同時につながる無線LAN環境で、BYODを実現

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神奈川県立生田高等学校のネットワーク構成図

導入事例
神奈川県立生田高等学校

 神奈川県立生田高等学校は今年1月、生徒自身が持つスマートフォンを授業内で使えるようにする「BYOD」を目指し、1000人以上に同時接続が可能なバッファローの文教向け無線LANアクセスポイントを採用。より多くの生徒たちがICT教育の恩恵を受けられる環境を実現している。そこで、天野尚治総括教諭(管理運営グループ・グループリーダー)に導入意図とこれまでの活用について聞いた。

多くの生徒がICT授業に参加できる仕組みを
 同校のこれまでのICT教育では、既存の無線LANで同時接続できる端末が少ないことが課題だった。タブレットを用いたグループ学習には学びを加速するさまざまなメリットがあるが、端末操作が特定の生徒に偏りやすいという傾向が見られたことから、より多くの生徒が積極的に授業へ参加できるよう、新たな仕組み作りが求められていたという。
 しかし、学校として用意できるタブレットの数には限界があり、保護者の金銭的な負担を増やすわけにもいかない。そこで考えたのが、生徒自身が持つスマートフォンを授業内で使えるようにする『BYOD』の採用だった。

BYODを実現する同時接続数や通信性能が決め手
 こうしたねらいから、バッファローの無線LANアクセスポイント「WAPM―2133TR」10台と「WAPM―1266R」15台を導入。1月から校舎内全域での無線LAN提供を開始し、BYOD運用をスタートさせた。
 同社製品を選んだ理由について天野教諭は「まず、無線LANアクセスポイント1台あたりに同時接続できる端末数の多さが魅力でした。通信も高速かつ安定しており、廊下に設置すれば1台で2つの教室をカバーできるほか、アクセスポイントの数が減ることで運用管理も容易になりました」と語る。
 BYOD登録端末数は1108名の全校生徒に対して、すでに今年5月時点で1000以上に達している。また、教育機関向けのクラウドサービスを活用することで、個人の端末にクライアントアプリをインストールすることなく手軽に活用できているほか、保護者向けのアカウントを用意することで、連絡やプリント配布の電子化も図られているという。

スマートフォンをメインにタブレットも
 「BYODの利用はスマートフォンがメインですが、最近はそれ以外に2台目の端末としてタブレットを登録するケースも増えてきました。利用している生徒たちからは『パケット上限を気にせず使えるのが嬉しい』『校舎内のどこでも安定して接続できる』という声が寄せられています」と手応えを口にする。
 その上で「スマートフォンを持ち込み禁止にしている学校もありますが、当校ではICT活用を“どのタイミングで、どのように使っていくか”が重要だと考えながら、生徒たちの新しい学びにつながるよう、日々の授業に採り入れています」と意気込みを語ってくれた。

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