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教科等横断的な教育課程編成の考え方・進め方

14面記事

書評

資質・能力(コンピテンシー)の育成を目指して
加藤 幸次 著
豊富な実践事例を基に解説

 「教科等横断的な教育課程」は、子どもの資質・能力(コンピテンシー)の育成を目指してのこと。新学習指導要領の示す、ポイントの一つである。「教科等横断的な視点」に立った教育課程はどのように編成したらよいか。また、どのような学習活動をつくったらよいかが、具体的にはっきり把握できないことはないか。悩ましい課題でもある。
 その教育課程を、具体的に豊富に示すのが本書。実践家にとって、福音の一冊だ。5部構成の本書は、I「『教科等横断的な視点に立った教育課程』編成の必要性を探る」で、新しい教育課程の必要性を、原理的に詳述する。IIIが、「『教科等横断的な視点に立った教育課程』の参考となる実践事例を紹介する」で

 (ア)教科横断的な学習
 (イ)生活科・総合的な学習の時間
 (ウ)領域横断的な学習

 ―の三つで編成すると、著者は具体的に示す。ここには、16の実践事例(小学校11例、中学校4例、義務教育学校1例)が示されている。参考にしたい。
 IVは、「学校はどのように『教科等横断的な視点』をベースに『学校の教育課程』を編成すべきか」で、四つの開発パターンを予想。Vで「『教科等横断的な視点に立った学習』にふさわしい学習方法は、どんなものが考えられるか」である。「探究学習」(問題解決学習)を発展させることの示唆だ。
(2268円 黎明書房)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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