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国立大学附属学校の先進教育

12面記事

書評

月刊「コロンブス」編集部 編
厳しい環境下、「魅力」を発信

 2019(令和元)年度の学校基本調査(速報値)によると、幼稚園、小・中・高校、特別支援学校に義務教育学校、中等教育学校を加え、国立大学附属学校園は255校園。
 各都道府県内での存在感はあるものの、置かれた環境は厳しい。文科省が設置した国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議は「公私立学校とは異なる国立大学の附属学校としての役割を踏まえた機能強化を図りつつ、その規模や在り方の見直しが求められている」(2017<平成29>年8月報告書)と指摘する。
 逆風の中、本書は、附属学校園が取り組む研究、先進教育事例を中心に取り上げ、魅力と社会的意義を伝えようとしている。
 例えば、幼小中一貫教育を実践しての「接続期」研究(新潟大学教育学部附属長岡校園)、業務のスリム化を図り働き方改革の推進(大分大学教育学部附属小学校)、プログラミング教育を進めるメンター育成(奈良女子大学附属中等教育学校)、交流及び共同学習による知的障害児の交通安全教育(金沢大学附属特別支援学校)など、19事例を掲載した。
 また、文科省からの期待、附属学校が取り組み始めた「財政教育プログラム」(財務省)、「金融経済教育」(金融庁)など関係者のインタビューも収める。
 研修、養成の拠点に加え、現代的な教育研究の成果を全国に普及する役目を担う。
(968円 発行・東方通信社、発売・ティ・エー・シー企画)
(矢)

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