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ホワイト部活動のすすめ 部活動改革で学校を変える

16面記事

書評

佐藤 博志・朝倉 雅史・内山 絵美子・阿部 雅子 著
生徒、顧問が参加しやすい活動提案

 部活動改善の機運が高まる中、本書は「部活動とは何か」「部活動の制度はどうなっているのか」「部活動をめぐる議論と実態」「部活動改革を構想する」「部活動改革の方法」の全5章構成で、部活動に対する多様な捉え方を整理した上で、著者らが考える部活動の方向と実現方法を提示する。
 著者らが提案するのは「ホワイト部活動」。「勝利主義ではなく、管理主義でもない。時間を適切に設定し、生徒の自治やニーズの多様性を尊重した部活動」であり「生徒はもちろん顧問も参加しやすい部活動」と説明する。
 その具体例は、4章の実践事例でイメージできる。
 複数の活動を可能にし、週1回以上の参加を条件とした居場所としての部活動「総合スポーツ同好会」(高校)や、総合型地域スポーツクラブと連携した活動(中学校)。「ゆる部活」のように活動空間の改革、部の中に「班」をつくるような運営空間の改革、生徒が部費管理、用具注文などするような経営空間の改革の視点も示す。
 「ホワイト部活動」への改善ポイントに多様な部の設置、活動内容に新しい視点を盛り込む、学校側が求める要望に沿った外部指導者の提供、スポーツ医科学センターや関係団体との連携、生徒が主役の部活動への“観”の転換などを挙げた。
 生徒の自治に重きを置く部活動への移行も強調され、模索する学校には役立つ。
(2200円 教育開発研究所)
(矢)

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