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世界で学べ 2030に生き残るために

14面記事

書評

大谷 真樹 著
「前例ない高校」の創設者が熱く論ず

 「世界に通用する人材を育てたい」という著者の熱い思いが凝縮された一冊である。
 数多くの図表を基に論説がなされている。世界に通用する人材の条件としては、「英語で学ぶ」ことが必要であり、仮説検証できる実践的なロジカル・シンキング能力と「疑う」「批判的に考えてみる」というクリティカル・シンキング能力、柔軟に考える力等が必要不可欠と述べている。
 グローバル基準で考える時には、学歴ではなく、その人が何を学び、現在何ができるのかという「学習歴」が問われるので、それに投資することや、「プレゼンテーション能力」の重要性等の記述に納得した。日本の子どもたちの自己肯定感を高めるには、失敗を恐れず、挑戦する前向きな意識を育てる教育が、一層必要であると思った。
 著者は、ベンチャービジネスから、教育の世界に転じ、大学を中心に企業の誘致と起業家の育成に尽力した後、大学の学長として大学改革に携わった。さらに、グローバル人材としての徹底的な基礎の学びとキャンパスを持たずに世界をフィールドにさまざまなプロジェクトに挑戦する、そして日本の高等学校の卒業資格も得られる、日本初の前例のない学校を創った。著者のたぐいまれなる経験と挑戦と行動力に敬服する。10年後の日本を、世界を変える人材育成に期待したい。
(1650円 発行・サンルクス、発売・サンクチュアリ出版)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)

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