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「これからの教室」のつくりかた

16面記事

書評

“先生の先生”が集中討議!子どもも教師も元気になる
教育技術・学級経営・ICT教育 新しい時代のグランドデザイン
堀田 龍也・赤坂 真二・谷 和樹・佐藤 和紀 著
「科学」と「システム」の必要性訴え

 「“先生の先生”が集中討議!」「教育技術・学級経営・ICT教育 新しい時代のグランドデザイン」と、二つの副題の本書。まず「先生の先生」とは、四人の鼎談者が大学教師、それも教育学関連の研究者であること、しかも、それぞれが小学校教師の長い前歴を持つ人であることを示している。“未来の子ども”“教師の現在”について、データ入りで口絵のある本書は、2部構成である。第1部は「教育技術はなぜ広がっていかないのか」「学級経営の優先順位が上がらないのはなぜか」「なぜ学校でのICT活用がなかなか進まないか」の3章に分かれる。そして、教育には、「科学」と「システム」がないから、それをつくろう、その意識を持とうと呼び掛ける。
 第2部は、「教育の未来」である。“新しい時代の教室のあり方”が論じられる。Society5・0(注・口絵参照)の中の学校教育を論じる。そして、本当に問われているのは「教師のあり方」であると強調する。
 小学校教師の体験を持つ4人の鼎談は貴重だ。共感する読者も多いだろう。基本的なスキルを鍛えて魅力的な教師になること、学級はさまざまな個性や文化を持つ集団であることなど、教師である誰もが考えなければならないことである。ICT教育(情報活用能力)は、新学習指導要領も求める力でもあるのだ。
(2530円 学芸みらい社)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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