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やさしく学ぶ教職課程 教師論

16面記事

書評

中嶋 みさき・中井 睦美 編著
仕事の奥深さが実感できる

 本書は教師を目指す学生のために書かれた良書である。しかし現職の方や、評者のような既に教育現場から去った者でも、読んでいて啓発されることがある。まえがきで編著者は書いていた。
 <本書を通じて、あなたは、教師の仕事の奥深さと難しさを学び、自らの適性を見つめ直すことができるだろう>
 今、働き方改革を巡って教師の在り方が問われている。しかし、この流れは教職という仕事を、ただもうブラック化に追い込む危険性がある。もっと教師の仕事の深さに感動し、教職を目指す若者が増える方向に持っていかなければならない。
 このために総花的ではあるかもしれないが、本書のような本が出されたことは意義深い。
 第1章の「教師の役割とは何か」から最後の第13章「教師を取り巻く現代的な問題」を通読すると、教師の仕事の深さを実感できるようになっている。
 また、教員免許更新制や人事評価などへのコメントなどは、批判的内容も含まれていて文科省の関係者にも読んでいただきたいと思う。
 <こうした増え続ける負担に対応できるだけの人員が整備されていない>
 今の学校現場の最大の問題は、増える仕事量への人的保障がないことなのだ。
(2310円 学文社)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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