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ポスト・コロナの学校を描く

16面記事

書評

子どもも教職員も楽しく豊かに学べる場をめざして
「教職研修」編集部 編
22人の識者が独自の視点から論ず

 感染拡大防止のために学校が長期休業となり、学校は子どもの居場所、すなわち福祉の場としての機能を期待されていることが明らかとなった。また、オンライン授業が普及すれば学校という空間は不要になる、優れた教員の授業を動画配信し、AIを駆使して個別最適化の学習ができるようになれば教員の数は減らせる等々、わが国の学校制度に関わる発言も飛び出すようになっている。
 本書は、コロナ禍で浮上した「学校は何のためにあるのか」「これからの学校はどうあるべきか」など「学校の根本を問う」という課題に対し、22人の識者が論じたもの。さまざまな経歴と経験を持ち、教育問題に関わってきた執筆陣が、それぞれ独自の視点から切り込んでいて興味深い内容である。
 「学校は何をするところか?」「授業をどうする」「学校生活を変える」「教職員・管理職が変わる」の4章の構成。
 「学校の機能は、健康保障、つながり保障、学び保障」「対面授業に家庭からのオンライン参加を組み合わせ、学びのサイクルを」「情報共有とコミュニケーションでゼロリスクを突破」「学校は全ての子どもたちの居場所。地域住民や保護者も巻き込んで大きな風呂敷を」「オンライン学習は子どもの主体性に依存して成立」「リスクを恐れて何もしないでよいのか」等々。学校改革に踏み出す力が得られる。
(1980円 教育開発研究所)
(大澤 正子・元公立小学校校長)

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