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ホットでほっとな学級びらき・授業びらき 知恵とワザをどう仕掛けるか

16面記事

書評

前田 勝洋 著
豊富な経験と情熱に基づく提言

 4月。教師は、格別の思いで新学期を迎える。子どもたちとの出会いを大切に気持ち新たに頑張ろうと心から思うものだ。教師だけではなく、新年や新学期など節目を迎える時、多くの子どもたちも同じ思いをするだろう。そのタイミングを逃してはいけない。
 本書は、この新しい出会いの中で、具体的な学級びらき・授業びらきの仕掛けを数多く紹介。ただし、「学級びらき・授業びらき」は新学期に限らず、毎月、時には週初めにも仕掛けられると言う。そして、教師の「心を込めた」「魂の入った」ワールドが教室であり授業なのだと。
 著者は、校長職を退かれた後、学校行脚として、学校現場に足を運び授業の勉強会を開催し、教師たちの苦楽に共感しながら研修の場を設定。その数や年間100校に及ぶという。紙面からは、そんな著者の豊富な経験とあせない教育への情熱からほとばしる言葉の重さと温かさが感じ取れる。
 教師としての活動は「悪戦苦闘」の中でやりがいとなる。確かにそう。わずか10歳の子どもに振り回され、泣かされ、励まされ、そして生かされる。悪戦苦闘の懸命な毎日が教師を育てる。さらに「隣の教師に学ぶ・目の前の子どもに学ぶ」ことで「学び合う教師」になるのだと説く。
 学校現場で日々子どもと真摯に向き合う先生方に、ぜひ読んでいただきたい一冊である。
(1760円 黎明書房)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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