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困難な現場を生き抜く!やんちゃな子がいるクラスのまとめかた

14面記事

書評

野中 信行 著
関係づくりと日常授業の大切さ

 本書の目次の5章編成のタイトルに注目してほしい。その中でも特に第4章の「なぜ教師と子供の『関係づくり』が大切なのか?」は、小学校教師の必読の内容だ。
 <教師という立場には、「教え導く立場」と「心を通わせ合う立場」の2つが必要になります>
 わざわざ太文字でこの一文が書かれている。この二つの立場をきちんと自覚できない小学校教師の学級経営は、本書を読む限り学級崩壊の方向に進むことが、読み取れる。
 そして、この本のCOLUMN欄「学校変貌論ノート(1)~(5)」を読むと今、目の前の子どもたちに何が起こっているのか分かるだろう。
 また、第4章の最後に書かれている「5 学級崩壊の筋道」を読むのは、正直言ってつらい。しかし、学級経営の問題と正面から向き合わず、授業研究ばかりしている教師に、強烈なパンチを与える警告となっている。
 子どもの変貌は、学校の変貌に直結する。そこで本書は、最後の第5章で日常授業の改善を呼び掛ける。研究授業の取り組みよりも日常授業の改善が、小学校教育の命運を握っていることに気付けるだろう。そのことをどれだけ自覚できるのか、今、問われている。授業研究も必要だが、学級づくりも大事にしたい。
(1980円 学陽書房)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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