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夢中がつくる学び

12面記事

書評

吉田 雄一 著
子どもと創る「理想」の授業を求めて

 「『どっちに進むかわからない』そんな刺激的な授業を、準備をしっかりした上で毎日やっていきたいというのが私の理想」。それは「0の状態から、教師の瞬間的なひらめきと、子どもたちの知恵で創り上げる授業」を「リアルでとても楽しい」と感じる授業観である。
 附属という研究校で練り上げた指導案通りに授業をこなす著者に「結局子どもがただ先生のために、頑張って発表しているだけ」との研究協議での指摘は、研究校での“あるある”の一つだろうが、ここから授業改善の日々が始まる。光明は子どもの「夢中」な姿との出合い。「夢中な瞬間」を「授業」に取り入れたいとの思いが、新たな授業観を鍛え上げていく。
 「子どもの『夢中』を生み出すための土台」(第1章)、「夢中になる授業づくりの手立て」(第2章)、「『夢中』を生み出す授業の実際」(第3章)で開示される理想の授業づくりへの試行錯誤は、子どもが躍動する授業をしたいと考える教師にとって、具体的で参考になる。
 例えば「教材の研究」の仕方からオープンエンドの発問など「発問の抽象度の設定」、「教材の可能性の模索」と工夫や意欲を喚起する「ルールの設定」と「場の設定」といったノウハウ。本書で紹介する実際の授業での子どもとのやりとりは、読者の授業づくりに生かせるのではないか。
 多様な答えを認める雰囲気を日常的につくるなど、学級づくりのヒントも多い。
(1980円 東洋館出版社)
(矢)

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