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Withコロナ時代のクラスを「つなげる」ネタ73

14面記事

書評

中村 健一 監修
小野 領一・友田 真 編著
制約下で楽しく安全に絆つむぐ

 「いつか必ず日常が戻ってくることを信じて」
 本書の締めの言葉である。コロナの時代、ちまたでよく聞かれる「ピンチはチャンス」を、もう少しモジって、「ピンチピンチ・チャンスチャンス・ランランラン」とすれば、その「ランランラン」に当たるソーシャルディスタンス時代の学級経営・授業づくりのネタ本。コロナ禍でも工夫次第で、子どもを安全に楽しくつなげることができるのだ。
 第1章は学級の遊び編として、コロナ禍においても友だち同士をつなげるネタ25。第2章では授業編として、「笑顔」と「つながり」を強めていける授業ネタ17。第3章では、誰もが知っているどこか懐かしい昭和のレトロネタを、withコロナ時代にリメークしたネタ15。最後の第4章は、コロナ禍だからこそ生まれた子どもたちをつなげるゲーム・ネタ16である。
 さまざまな制約を強いられている学校生活の中であっても、ちょっとしたアイデアで楽しい気分になれる。大事なことは、どのような状況下でも、前向きに知恵を創出して、子どもの学習権と笑顔を保障してあげることなんだ、と行間から読み取るのは深読みか。本書のネタは緊急時だからこそ生きるものもあるのかもしれない。しかし、ピンチの時こそ、アイデアを絞って乗り切ろうとする姿勢の尊さは永遠なのだ。
(1870円 黎明書房)
(青木 一・信州大学学術研究院准教授)

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