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教師のための教育効果を高めるマインドフレーム

13面記事

書評

可視化された授業づくりの10の秘訣
ジョン・ハッティ、クラウス・チィーラー 著
原田 信之 訳者代表
実証的研究から指導の枠組み提示

 著者らは教室での実践分析をデータベース化し、指導要因と効果量ランキングを作成する(巻末に収録)。こうした実証的な教育研究の知見を踏まえて、教育効果を高める10のマインドフレームを提示したのが本書である。
 例えば「私は生徒の学習に及ぼす影響の評価者である」や「私は『最善を尽くす』だけでなく、チャレンジに努める」「私は一方向の説明と同じくらい対話を取り入れる」などだ。教師にとって有効なマインドフレームごとに章を設け、冒頭に「自己省察のためのアンケート」、平易な「エピソード」を導入部に配置。続いて本章の概略、マインドフレームを支える要因、何から始めればよいかを解説し、章末に「チェックリスト」「エクササイズ」を置く構成によって、読者の理解を深める。
 10のマインドフレームは別々に取り組むのではなく、「蜘蛛の巣状」につながるため、ひとまとまりとして取り組むことを求める。「マインドフレーム」の訳語はあえて用いず、読者なりに理解することを希望した。
 生徒に対する教師の影響力の評価を重視する他、生徒に対するフィードバックだけでなく、自身に対するフィードバックによって解釈し行動すること、何ができたら成功なのかを最初から生徒に明確に伝えるなど、実践者には響くアイデアに出合える。さらに学びたければ、『学習に何が最も効果的か』など既刊の「可視化された学習」3部作の邦訳書が用意されている。
(2970円 北大路書房)
(矢)

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