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タブレットでふれあうエンカウンター

14面記事

書評

大友 秀人・瀬尾 尚隆・吉田 ゆかり・伊藤 友彦 編著
オンラインでも自己・他者理解を実現

 断続的に繰り返される新型コロナウイルス感染の拡大。感染状況によっては休校などの措置が取られ、孤立感を抱く子どもたちもいるかもしれない。
 本書は、1人1台というタブレット環境を活用して自己理解、他者理解を促しながら、心の触れ合いを実現する方法を提示した。
 対面の場面でも、少なからぬ学校で「構成的グループエンカウンター」(SGE)が取り入れられてきた。「いいとこさがし」や「ふわふわ言葉とチクチク言葉」などのエクササイズ(課題)を活用した方もいるだろう。こうしたSGEエクササイズをオンラインで試みた北海道カウンセラー協会の成果をまとめたものだ。
 Chrome、Windows、iPadなどのOS向け標準アプリケーションの基本的な操作の仕方や、タブレットを活用したエクササイズの進め方などを解説。
 お互いの好きなこと、考え方などを通して、多様性や自己の理解などにつなげる「二者択一」、自己肯定感を高める「自分への表彰状」、自分の心身の状態に目を向ける「こころスケール」など「他者とのふれあい・自分とのふれあい」を目的としたエクササイズの他、「学級開き」「生き方・進路」「年度終わり」に分類し、計24のエクササイズを収める。
 授業だけでは出合えない「自己開示」に接すれば、子どもの内面理解にもつながる。
(2200円 図書文化社)
(矢)

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