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かかわりの中で育つ 通常学級『自立活動』の発想による指導

18面記事

書評

つなぐ・つなげるインクルーシブ教育
土居 裕士 著
青山 新吾 編集代表
実例を基に具体的手だて紹介

 「自立活動についての理解は、学校種や学級種を問わず、すべての教師にとって必須である」と著者は述べている。
 学校を訪問して気付くことは、教室という空間に自分の身の置き所を見いだせない子どもの多さと、そういった子どもへ何をよりどころに、どう対応していいか悩んでいる先生方の存在である。
 そういう中で、特別支援学校の教育課程に特設された指導領域である「自立活動」による指導を通常学級に生かす意義を本著から強く感じた。
 第1章では、特別支援学校教育要領・学習指導要領解説 自立活動編に基づき、自立活動が、全ての子どもたちの個々の障害による学習や生活上の困難さを改善・克服するための学習であると解説している。
 第2章では、自立活動の内容6区分27項目を指導の「ものさし」として活用することで、指導の言語化と共有化が可能としている。
 そして第3章では、10の実例をエピソードに指導の具体を示している。「先生はゆったりとした空気を出してくれる」という「シャツ王子」のエピソードは興味深い。
 本著は、通常学級で困難を抱える児童・生徒への対応に、さまざまな角度からアプローチする着想を得られ、特別支援教育の実践的入門書としてお薦めの一冊である。
(1760円 学事出版)
(中川 修一・東京都板橋区教育委員会教育長)

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