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桃山学院教育大学 教員養成カリキュラムの持続的構築

16面記事

書評

幼児教育課程と健康・スポーツ教育課程を焦点にして
名須川 知子・中村 哲 編著
ユニバーサル、SDGsの観点取り入れ

 4年前に単科教育大学として発足した桃山学院教育大学は、教育研究の質的特性を創造、発信する「教員養成カリキュラムの持続的構築」に取り組んでおり、令和元年度には『桃山学院教育大学 教員養成カリキュラムの持続的構築―教職課程科目のカリキュラムと授業実践を焦点にして』を刊行し、教職課程科目の全体計画と授業実践を公表。同2年度には「FD活動としての授業研究の試み」として、大学組織全体としての授業改善を意図。そして令和3年度は、これまでの小学校教育課程から幼児教育課程と健康・スポーツ教育課程にも研究を拡大、その成果を本書で発表した。
 本書では、幼児教育課程の授業科目の共通観点に世界的課題であるSDGsを設定し、保育士・幼稚園教諭の資質形成を意図。さらに授業科目の進化としての畑プロジェクト、海外インターシップ事業、発達障がい幼児への療養プログラムは、地域社会や国際社会との関与を視野に、ユニバーサルな教員養成カリキュラム開発を試みたものである。
 一方、健康・スポーツ教育課程でも、防災・安全やインクルーシブ教育のようにユニバーサルな教員養成カリキュラムに関連する授業を導入。また、進化的取り組みとして紹介されている「桃教スポーツアカデミー」の活動は、個別大学の教員養成だけの視野ではなく、地域社会における人間形成を図る活動となっており、注目される。
(2200円 銀河書籍)
(郎)

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