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一刀両断 実践者の視点から【第206回】

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物申す人材を育てねば

 元首相銃撃事件で警察官僚トップの辞任や警備計画を30年経って見直すといったニュースが出された。またかという印象をうけてしまった。何故ならそれで期待するほど変わる事がないからではないだろうか。
 それにしてもこのハイテクの時代に警備計画が30年も見直されていなかった事に驚嘆した。また、仮にトップが問題でも側近の保身体質が強く温存されている事を指摘したい。
 どこかの省庁の事務次官経験者が最近、責任を上司に転嫁するような発言をしていた。自分が職を賭けて、不当な事態を止めなかった事の方が恥ずかしい事ではないだろうか。
 トップの器量には期待するが、三国志の主人公のように、関羽や張飛そして諸葛孔明という側近を得る事が欠かせないのではないだろうか。
 そう考えると、物申す人財が育たない人的環境を抜本的に作り直さない限り、私利私欲の鵜呑みばかりを集めても烏合の衆なのだから、トップを変えても何も変わるわけはないのである。
 背信なく誠実に物申す人財を育てられない事が問題なのである。それは学校も教委も大学も同様である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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