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教職員・教育委員会のための学校現場の声を生かした予算づくり

12面記事

書評

内田 裕一朗・井上 聡大 著
基礎から要求のポイントまで

 学校現場には教育のプロは数多くいるが、予算のプロは少ない。実際、多くの学校関係者は「予算」についての知識や仕組みの理解が十分とはいえない。そこで、ついつい事務職員や担当職員に任せ切りにし、多くの場合、前年度同額の配分総額ありきで予算が硬直的になりがちである。そういう中で本著の「ありそうでなかった予算の教科書」というキャプションが目に留まった。
 予算要求に当たっての心構えの項で、予算の硬直性を念頭に置き、「小さくはじめて、大きく育てる」という手法の下、さまざまな施策が展開されている事実を述べている。また、財政課のスタンス「要求なきところに査定なし」の下、「予算は取りに行くもの」という認識を持ち、財政課との議論に耐え得る説明と資料を用意すべきとの記述も納得がいく。そのためにも、改めて予算要求・編成の基本的な理解は必要不可欠である。
 本著は、第1章、2章でその辺りを分かりやすく解説し、第4章で予算査定者の着眼点と予算要求のポイントを具体的に九つの視点から解説している。また、「ちょっと一息」というコラムが掲載され、かゆい所に手が届くという構成となっている。来年度の予算要求が既に終わっている時期ではあろうが、改めて予算づくりを学ぶ貴重な一冊としてお薦めする。
(1980円 ぎょうせい)
(中川 修一・東京都板橋区教育委員会教育長)

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