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一刀両断 実践者の視点から【第389回】

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衆議院の新議長が犯したミス

 新たに就任した額賀衆議院議長が、天皇陛下に誤って文書を手渡したミスについて、額賀議長本人が皇居を訪れ、宮内庁側に謝罪していたという。いささか仰天した。
 天皇が受け取って頂けたからよいものを拒否されていたらどうなっていただろうか。こうした事は学校の式典でも起きにくいだろう。
 皇居勤労奉仕で天皇とお会いできる時は、質問にのみ答えるとされており礼節の極みがそこにある。
 自分が読んだ原稿を渡すのは同格か目下に行う行為と私は理解している。いつぞや園遊会で節度なく妄言を吐いた議員もいたが、ルールにはないもののマナーとして礼儀として外してはならないものがある。
 衆議院議長というマナーやルールを教え諭す立場にある人物のあり得ないミスとなった。何度かリハーサルをして臨むはずであるが、それもなかったとすると極めて遺憾であり怠慢が蔓延しているとも思えてならない。また、側近が止めるべきであるが、それも出来ないとなると、益々式が形骸化していると懸念される。
 卒業式で校長が式辞を読み演台に置く事があるが、これは卒業生に敬意を表するものであり、教育長が同席していても渡す理由がない。何を勘違いしたのか知らないが、議長としての資質や判断力が備わっているのか不安になる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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