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絵本力 SNS時代の子育てと保育

14面記事

書評

浅木 尚実 著
絆深めるツールの意義と実践

 乳幼児期の絵本の読み聞かせは、保護者との信頼の絆を深める大切なツールであることを改めて分からせてくれる一冊である。
 「理論編」に当たる「絵本が育むひととの絆」(第1章)や「絵本が育てる子どものことば」(第2章)、「読み聞かせの醍醐味」(第3章)、「絵本が育てる子どもの力」(第4章)は、子どもの育ちの中で絵本がどのような影響を与えるのかが平易に語られている。ぜひ保育・教育に関わる指導者には、絵本の効用について理解を深めるために読んでほしい。
 続く「絵本のことばが合言葉」(第5章)と「絵本は遊びの火付け役」(第6章)は保育園、幼稚園で幼児と向き合う当事者たちの報告を中心に述べる「実践編」である。
 第7章は著者が取り組んでほしいと考えている「ミニブックトーク」の方法と保育士養成課程に在籍する学生が提案する内容で構成。特に、理科離れを視野に入れ、幼児期のあふれる好奇心に応え、学ぶ意欲をその後につなげることを意図した試みとして提案する。
 保育者などには、絵本の世界が幼児の想像力をかき立て、創造力豊かな”ごっこ遊び”などにつながる実践を語った章が参考になる。
 全体として、さまざまな絵本を取り上げ、好著に導くガイドブックとしても役立つ。絵本の力を信じる著者ではあるが、早期教育の一環としての絵本の活用に警鐘を鳴らしていることは忘れてはならない。
 (2420円 ミネルヴァ書房)
 (矢)

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