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一刀両断 実践者の視点から【第406回】

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論説・コラム

教職員組合の役割とは

 《給特法めぐり全教が会見 「自民案は分断を生む」》という見出しの記事を見て、やはりそうなるかと懐かしく思えた。確かに一理あるしもっともの指摘もあるが、平等を主張する事で実質の不平等を進める現実を何度も見てきた。
 ちなみに組合費は安くはない。それに見合う保証がされているのかには疑問がある。かつては横領事件もあった。
 仕事は青天井で手当は限られているのは事実である。だからこそ、やれる範囲でやればいいのだが、その削ぎ落としが出来ないのがもどかしい。
 この点は大学教員とはかなり異なる。対価や勤務があまりに異なる。
 仮に大学教員並みの待遇にしたらこうした不満は出難くなるだろう。児童生徒そして学生への寄り添い感に格段の差がある。
 例えば欠席した際にも無断欠席が自己責任にされるのが大学であり、ほとんどが追及されない。本来なら大人としての自覚を持たせる為にも出処進退は社会の常識なので訓練すべきをしない。大学の教員の怠慢としか感じられない。
 組合の活動には有益性を感じる時もあるが、その根底に納得できない思想や人間性があった事を思い出す。
 ある時、多くの組合員に囲まれて勧誘された。今の教育基本法などは、資本主義を守る憲法がベースになっているのだから守るに不要はないのよ、と真顔で言われた事が今も鮮明に浮かんでる。全ての方がそうでないにしても他の組合も何となくおかしい。
 もちろん教員の労働環境が現状でよいとは思えない。教育を手段にしている政治家を排除して、教育を目的にする政治家を増やさなければならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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