老朽化が進む体育館に最適解“3つの床リノベ術”
11面記事
相模原ギオンアリーナ大体育室:レックスコートの施工事例
エービーシー商会
補助金の活用により初期コストを抑え、高性能な床材を導入可能
老朽化が進む学校体育館では、長寿命化改修が全国的に進められているが、児童生徒が安全かつ快適に利用するためには、床の改修が不可欠だ。こうした状況を踏まえ、総合建材メーカーとして多様な商品と豊富な実績を持つ(株)エービーシー商会は、学校ごとの用途や自治体の予算に応じて選べる、高弾性衝撃吸収シート床材「レックスコート」を用いた3つの改修工法を提案している。
安全に直結する床の硬さ~高弾性衝撃吸収シート床材~
体育館の床は、鋼製床下地の上に木製フローリングを施工するのが基本的な構造である。安全性を保つために、木製フローリングは、日常的な点検と定期的なメンテナンス(表面研削処理+再塗装)が必要不可欠となる。劣化した場合、床が剥がれたり、ささくれした木片が身体に刺さったりという重大な事故が発生する危険性があるためだ。
それだけではなく、競技のパフォーマンスと安全性においては、利用者によって床の硬さを変える必要性があることは意外と知られていない。小中学生が使用する学校体育館では、怪我防止のために衝撃吸収性を優先し、比較的柔らかい床が望ましい。一方で本格的にスポーツをする施設では、柔らかすぎると不安定で疲れや怪我の要因となる。
こうした中、高弾性衝撃吸収シート床材「レックスコート」は、独自の高弾性層により転倒時の衝撃を大幅に緩和し、安全性を高める床材である。適度なクッション性を持ちながらもスポーツに適したボール反発性を備え、公益財団法人日本学校体育研究連合会の「優良体育用品認証マーク」を取得。体育館はもちろん、フィットネススタジオ・児童施設・リハビリ施設などで採用されている。シート床材のため劣化によるささくれの心配も無く、耐摩耗性・耐汚染性にも優れ、ワックス不要。長期的なメンテナンスコスト削減にも寄与する。
しかも、冷えにくい性質や減音効果は寒さやストレスの軽減にもつながるため、近年では避難所利用を見据えた床材としても注目されている。

高弾性衝撃吸収シート床材「レックスコート」
用途に応じて選べる3つの改修工法を提案
同社は、「レックスコート」を使用した3つの改修工法を提案している。いずれも既存のフローリング床を撤去せずに施工する方法であるため、コスト削減と工期を短縮できるのがメリットだ。
①一般工法「コンパネ重ね貼り+レックスコート貼り」:標準的な改修工法。既存のフローリングを残したまま上からコンパネ・レックスコートを貼るため、比較的安価で施工が速い。
②テクセル工法「テクセル工法+レックスコート貼り」:テクセルパネル・弾力層を組み合わせることで、競技に応じて求められる最適な仕様を実現。学校体育館や競技施設など用途に適した、硬さ・衝撃吸収性のカスタマイズが可能な点が魅力。断熱効果が高く、補助金対象となる。(後述)
③湿式工法「樹脂系塗り床下地処理+レックスコート貼り」:「とりあえずささくれを何とかしたい」など、コストと時間をかけたくないという要望に応えるための工法。一般的に下地補修材は、セメント系を使用することが多いが、既存フローリングに水分が移行してしまい、伸び縮みなどの悪影響を与えてしまう。同社は総合建材メーカーとして樹脂系塗り床材も扱っているため、長年のノウハウにより樹脂系下地補修材を使用することで、将来的な軋みなどのリスクを低減できる。
断熱×安全を叶える「テクセル工法」
中でも、同社が推奨するのが、「テクセル工法」になる。テクセルパネルのハニカム構造が持つ空気層とレックスコートの高弾性層の二重の効果により、高い断熱性能を発揮することから、文科省が学校体育館などの避難所機能強化として進める「空調設備整備臨時特例交付金」(2033年度まで、補助率2分の1)の対象に位置付けられている。このため、補助金対象となる同工法を選択することで、初期コストを抑えながら、高性能な床材を導入できる可能性があるからだ。
従来の学校体育館は断熱性能が確保されておらず、暑さ寒さ問題が放置されてきた経緯がある。それゆえ、能登半島地震を始めとする近年の大規模災害では、体育館の硬く、冷たい床が引き起こす健康被害が非常に深刻な課題となっている。特に、避難所開設の長期化によってインフラが途絶えた場合には、建物自体の断熱性能が重要になることから、防災機能の強化として重視する自治体が増えているところだ。
老朽化対策と質向上を同時に実現する解決策
学校体育館の老朽化改修は、全国的に先送りできない喫緊の課題となっている。体育館は、授業・行事・部活動・避難所機能など多様な役割を担うため、単なる補修ではなく、安全性・耐久性・快適性を総合的に高める改修が求められている。しかし、学校ごとに利用実態や予算条件が大きく異なる中で、最適な改修方法を一律に決めることは難しく、自治体や学校側が柔軟に選択できる複数の工法が必要となっている。
こうした状況を踏まえ、同社が提示する3つの改修工法は、従来の学校体育館では十分に実現できなかった「安全性と快適性を両立する高性能な床材」を軸に、各自治体が学校の条件に応じて最適解を選べるよう設計されたソリューションである。既存床を撤去せずに施工できる点や、工期短縮・コスト抑制といった実務上のメリットも備えており、老朽化対策と教育環境の質向上を同時に実現するための現実的かつ効果的な選択肢となっている。
問い合わせ=(株)エービーシー商会 乾式材事業部
〒100―0014 東京都千代田区永田町2―12―14
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