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東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~【第4回】

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大型モニターの向こうの友達!

 「青ヶ島で紹介したい場所は、○○○です。ここは、…」。大型モニターの前にある小型カメラに向かって、児童が説明します。大型モニターには、説明を聞いている八丈町の大賀郷小学校の児童が映っています。
 6月28日の金曜日に青ヶ島小学校の児童が、大賀郷小学校とWEB会議システムを活用しての交流授業を行いました。本校の児童は、「青ヶ島のお薦め場所等」について、大型モニターを通し大賀郷小学校の児童に説明しました。
 同じく、大賀郷小学校の児童からは、「八丈島のお薦めの場所」について説明がありました。
 「30分程度の短い時間でしたが、青ヶ島小学校の児童にとっては、初めて会った同学年の友達とやり取りができた満足感が大きく、人間関係の深まりが感じられました。その結果、次の交流に向けての意欲も高まりました。児童同士でのやり取りで得られる効果はとても大きいと感じています。これからもこのような場面を設定していきたいと思います。大賀郷小学校には感謝しています」と担任の久米隆紀教諭はこのような交流授業を通して「他者理解」への深化をさらに図ろうとしています。
 青ヶ島村立小中学校は、児童・生徒数が各学年1~2人(小学校5・6年は欠学年)の合計10人です。少人数であることをメリットとして、児童・生徒一人一人に応じたきめ細かい指導・支援を続けてきました。
 一方、課題として取り組んでいることが、いかに他者を意識させるかということです。青ヶ島小中学校では、授業を行う際には、教師と児童・生徒は1対1または1対2となってしまいます。
 教師としては、学びを深めるためには、自分とは違った他者の多様な意見により、新たな気づきや価値観を作っていく場面が必要であると感じています。そのため、教師が他の児童・生徒役を担い、意見を言ったり、感想文を作ったりして、他者の意見に触れさせようとしています。校内研究についても「他者理解」をテーマに取り上げ、全教員が研究授業を行っています。
 島外の学校との衛星回線を使ったテレビ会議システムによる交流は、平成8年~10年度に文部省(現文部科学省)の研究指定校として都内の小学校と実施し、児童が多くの考え方や発想に耳を傾けるようになるなどの成果が記録に残っています。
 現在、青ヶ島では、ADSL回線を使用してのWEB会議システムを使用しており、回線速度不足から途中で画面が停止したり、音声が途絶えたりしています。今年度、海底光ケーブルの敷設工事が進められており、来年度には使用できる予定です。今後のWEB会議システムを使った交流に期待を寄せるところです。
 写真は大型モニターを通して交流する場面です。
(木下和紀・青ヶ島小中学校校長)

東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~