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生徒指導~小学校段階での考え方~【第41回】

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社会的弱者からの学び

 社会的弱者といった場合、子どもと高齢者が挙がる。子どもと高齢者は災害時に亡くなる割合が高い。加えて、虐待・いじめによる犠牲、また、鉄の塊を運転している自覚に欠けている高齢者の交通事故もある。事故に巻き込まれる危険が海山川より一般道路がはるかに高く感じる。
 小学校には子どもと高齢者の双方が集うことがある。地域との繋がりで昔遊びなどの伝承や運動会、発表会等にお招きしたり、子どもたちが老人ホーム等の慰問に出掛ける取り組みも少なくない。核家族化により、三世代だから伝わる知恵や節度、そして老いから死という人の営みも実感できない。
 弱い者が弱くなる者に関わり、強くなる。しかし、社会では分断が起きている。
 小学校段階での感性は一生を左右する価値観を包含している。その意味で多くの体験を通した学びの必要を感じさせる。その時こそ、主体的な自学の構えを作ると私は感じる。弱者だからできることがある。
 高齢者の経験には多くの知恵がある。また、小学生の中には青年が育っており、社会を牽引する芽が生きている。そこにダイレクトに働き掛けることが、小学校教育の醍醐味なのだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~