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生徒指導~小学校段階での考え方~【第81回】

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地域連携は無限大

 小学校は地域と密接につながっている。しかし、外からすると見えない塀が高々と立てられて見えるそうである。
 近年地域との連携の必要性が叫ばれたために交流は盛んになってはいるが、実を得ているかと問われると心許ない気もする。
 家庭や地域の実情に詳しいのは誰だろうか。

 子どもが被害に遭う事件・事故は下校時に多い。下校時の子どもを見守るのは学校ではない。校門から外は保護者、地域の範囲になる。では保護者が迎えられるかとなると難しい。
 地域となると定年などでこの時間に家におられる方になる。この方々の善意によってかろうじて見守られているのである。
 しかし、これ以外にも商店や工事、宅配便、郵便配達と多くの方々が往来している。最近は高齢化にともない、交通指導の旗振りさえも後任が見つからないという。

 人の目があるということや意識が高いということが大切なのである。
 教頭のころ、協議の上で全世帯に登校指導を割り振った。そしてエリアごとに毎日、ノートを書いて頂き、違反車や不審者の情報を把握した。ことが起きる前に取り組んだ。20年を経ても継続されている。地域で子どもは育ち、地域へ帰るのだから、学校から「のりしろ」を出せば、たくさんの有益な連携が可能になる。分断で子どもは守れない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~