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生徒指導~小学校段階での考え方~【第112回】

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メディアリテラシーを教える大切さ

 小学校段階でのメディアリテラシーの修得を必須にしないと、フェイクニュースや過度な表現に翻弄されかねない。
 報道には伝える側の意図があるので、同じファクトでも、報道されると表現が大きく異なることがある。民間放送はスポンサーの御機嫌を損ねては成り立たないために、視聴率を優先する。また、NHKは報道内容のレベルの落差が厳しく指摘されるのも納得できる。

 報道は意図的・批判的に自分の視点で受け取るべきだが、どうも著名人やキャスターの言葉を鵜呑みにする傾向がある。皇室報道しかり、国際情勢しかりである。
 こうした情報をどのように見るのか、結論は批判的に見る訓練が必要である。メディアをコントロールして民衆を扇動し動かした歴史がある。または、現在もそうした権力者はそこかしこにいる。

 ニュースを見ないし、新聞を読まない教師は多い。忙しいだろうが世間に疎くなっては子どもを未来へ導けない。
 本来、教師ほど情報収集に長け、その情報を旬の教材にカスタマイズして、子どもに投げ掛ける授業があっていい。身近な出来事への判断力を日頃から養うことは危険予知能力の向上にもなるし、自己決定、自己存在、共感的人間関係により養う自己指導能力の鍛練となる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~