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生徒指導~小学校段階での考え方~【第144回】

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教科・指導

教師はだまされやすい

 教師は概して騙されやすい。何故なら騙される社会とは程遠い世界で仕事をしているからである。その意識を持っていても欲と金に動かされている社会を知らないために、簡単にはまってしまう傾向がある。
 先物取引を始めたり、不動産の購入や、教育慈善事業の役員を受けたりして騙される人がいる。保証人になったり金銭を貸与したりしてしまう人もいる。貸した金は返ってくるとは限らない。人のよい教師はここにもはまる。

 生徒指導の上でも、こうした社会を知っておかなければならない。立場上、罠にはまっても相談する相手がなく、さらに深みにはまってしまう。
 生徒指導は社会の清濁や、その営みを少しずつ理解して、子ども達の親の仕事や生活までも見当をつけて、自分の立場と力量でやれる範囲に止める事が必要となる。チーム学校、チーム地域社会、学警連等も含め、人間味を交えて無理が効く関係になることである。

 知人、友人、さらに教え子でも、お金の貸し借りについては、いかに情に訴えて来てもビシッと断るべきである。そうでないと日々の仕事も手に着かなくなり、気も散漫になり、子どもの重要な信号を受信出来ない心持ちになってしまう。生徒指導は教員の身辺がざわついているようでは、まともな判断や行動は出来ない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~