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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第62回】

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今だから出来るシリーズ(8)

 得手不得手があるからこそ、それぞれが補い合い支え合える。しかし、いつまでも不得手にしておいて良いわけではない。
 体育をバリバリとやって来たが、他市へと転勤したとたんに外環境の整備を任された。先輩に「あそこのスミレを運んできて」と言われて、「すいません。パンジーしかありません」と、答えたのが最初の日だった。
 花や草の名前も30も覚えるとあっという間に100になった。さらに栽培の工夫も身に付き始めた。やがて大方の事が分かった頃、行政の仕事になり、管理職となった後も、林間学校では草笛を教えたり遊歩道の草花の特徴を教えることも出来るようになっていた。不得手が得手に変わった。

 今なら、英会話を徹底することに力を入れたいと思う、さらに対話型授業の仕掛け方などを思案しながら略式(自分流)の指導案をコツコツと書き貯めると思われる。

 不得手をそのままにして、児童には「頑張ってね!」とは言えないだろう。不得手への挑戦が、皆さんの印象に残る。私の結婚式に子ども達が描いたイラストには、麦わら帽子にシャベルを抱えて長靴という「畑の先生」の私がユーモラスに表現されていた。今こそ、変身できる姿を見せられるチャンスと捉えたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」