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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第78回】

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異業種の経験

 兼職兼業の緩和を促進すべきと常々思っている。能力を周りが求めているのに、余暇や余力を社会や経済に生かさない手はない。本務へもよい影響を与える事は大いにある。
 家業として障害者支援、地域貢献の為に薬膳料理店を駅遠くにつくった。雇われる方がいかに楽かを痛感した。

 職務専念義務があるため、兼業はならないと厳しく規定され、違反をすれば処罰を受けることになる。確かにその通りである。
 ならば、立場や能力そして地域連携などの観点から、講師依頼を受けた場合の謝金はどうなるのか。給与の二重払いにあたるのか。ならば、勤務日なら年休を取得して行けばよいのか。こうした判断は稀のため曖昧躊躇が常になる。

 ある時、市政記念行事の基調講演とパネルディスカッションのコーディネーターを依頼された。再任用の私の場合は時給5千円以内ならよいとされた。提示額は15万円だったが5千円に落ち着いた。大学での年一回の実習前講義の場合は1回で3万円を越える時もある。
 研修制度として教員を企業に派遣する自治体がある。キャリア教育を含め、異業種の経験を奨励するスタンスが求められている。「生徒指導論」は、よく、「生徒進路指導論」とされる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」