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コロナ時代に考えたい学校問題【第12回】

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教師の幼稚性を克服するには

 教師の幼稚性が露になる事件や事故が多発している。同じ教師として情けない気もするし、腹立たしさもあるが、いいようにマスコミの餌食にされているように思える。こうして吹き出る事件や事故の背景には、幼稚性が突出しているように感じられる。
 では、何故この幼稚さが残ってしまったのか。ここに視点を当てて養成も研修も日々の関わりも改革する必要がある。

 幼稚性が温存する背景は、様々考えられる。温室のような環境で育ってきた。厳しさから上手に逃げて避けてきた。守られてきた。反抗するリスクを回避してきた。
 素直と言うか、お利口さんとして生きてきた面々が多いとも思われる。教師を育てる教師達も、その世界にいたのではないだろうか。これで相乗効果が生まれ、外界を想定した試練を受けぬまま学校へと赴任する。

 ここで、保護者や社会の波を受けるが、手向かわなければ、大火にはならない。教師間の懇親の場は激減し、相互の距離もますます開き、干渉もしなければ、させない風潮がある。よって組織として機能不全を起こすことになる。
 解決策は、異業種交流や長期企業派遣など、累積した壁を此方から砕いて、幼稚性を吹き飛ばす荒療治を大学も学校も臆せず実行する事である。出来れば建設業、農業、漁業、町工場などで数年働かせてみたい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題