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コロナ時代に考えたい学校問題【第13回】

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校長のセクハラ

 校長セクハラ逮捕が報じられた。情けないことだ。被害者の心情は計り知れない。
 このような不祥事が起こると教育委員会は「被害者が望んでいないので」と記録を出そうとしない。文書を偽り、虚偽で口裏を合わせるなどということがあってはならない。

 それが正せない教育長は、既に、教育者とは言えず、首長の顔色を伺う御機嫌取りに過ぎない。教育者と政治家は、多分に相容れない事がかなりある。仲良しコンビに改革は出来ない。
 校長のセクハラは、隠しても滲み出るもので、日常から副校長や幹部職員も気付かないはずがない。暗黙で見過ごしているのだから、一蓮托生ではないのか。見過ごした教職員や保護者など名前もすべて公表する事が必要である。
 「それは出来ない。そこまでは」と言うなら、その理由を被害者家族や子ども達の前で説明しなければならない。こうしたかばいあいで、被害者のやられ損になっている例は少なくないはずである。

 私が仕えた校長も、お気に入りの保護者を懇親会ですぐに呼び寄せた。連れてくるのは教頭かPTA会長だった。反吐が出るほど気持ちが悪かった。ある職にあったから皆が頭を下げていた。その横柄さと嫌らしさに腹が立ち「御言葉ですが」と、食って掛かった。翌年、担任から外された。見せしめである。それでも伸び伸びと仕事をするためかなり悔しかったようだ。

 その後、様々に苦労された奥様も先立ち、現在は老人ホームに入っているらしい。不祥事は、権力や金を持つと染まりやすくなる。前回に続き、幼稚性を指摘しなければならない事態であった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題