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コロナ時代に考えたい学校問題【第22回】

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わいせつ行為を根絶する

 2カ月ほど前のこと、滋賀県の校長が若手教員にわいせつ行為を繰り返したと言う許しがたい報道が流れた。

 私も校長の時に、そうした行為についての相談を教員から受けたことがある。小学生のころ、部活の顧問から何人もの女子児童が被害にあっていたという。早速、市教委へ報告すると、何で今頃言うのかとの声が返ってきた。
 県の人権機関へも依頼したが、本気になってくれる機関は皆無と分かった。酷いものである。これが実態なのである。
 教委の担当課長は、その時に言わないで20年近く過ぎて言うのか、と加害者を擁護する発言をした。

 県警の友人やメディアの支局長に協力を依頼して攻勢を掛けたが、責任は追及できなかった。
 こうした被害は表にならないだけで、かなりの件数があると私は経験上実感している。加害者の幼稚さと慢心に、未来ある教師が犠牲になってはならない。では、誰がその杭を打つのか。
 私は県の新任校長研修の担当を企画運営し、その後は自ら講師を長年お引き受けしている。そのような事を絶対させないとの思いで、自らの体験を織り混ぜて杭を一段と深く打ち込んでいる。本来研修や面接とはそうあるべきで、マニュアル通りにしていただけでは杭を打ち込むことはできないのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題