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コロナ時代に考えたい学校問題【第98回】

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自分の目で見る大切さ

 「小学校でのいじめ案件をベテラン教師が「仲たがい」と扱い、中学校へ引き継がず、中学校の校長も小学校での事とした」というストーリーが報道されている。これをどう読むか。
 引き継ぎの手法は様々で、引き継がれても重要視されないことは多い。しかし、このストーリーだと、すべて学校や担任の落ち度と読めてしまう。
 法を遵守するならば、憶測で判断することは避けなければならない。ベテラン教師と書いてあるが、ベテランの方が学級崩壊は多いという調査もある。世代間の価値観の差があるからだろう。よって判断の視点がベテランだからしっかりしているはずなのにと導きたいのだろう。
 それは色眼鏡であり、ベテランだからといって大丈夫と私は見ない。また、中学校長の言葉は、反感を高めるために掲載しているように思えてならない。
 但し、自殺未遂を複数回しているのならば、緊急措置をすべきであって、それを小学校からの引き継ぎが問題とするのは、事実としても現実逃避であり、犯人追求、原因追求に力点を置いたどうにもならない事である。

 私もこれまで多くの対応をしてきたが、情報も勿論求めるが、必ず疑ってかかった。自分の感性で様々な問題を発見して対処してきた。ある意味、人は自分に都合の悪いことは言わないものだ。変だと感じたら人任せにせずに、じっくりと話を聞いて躊躇せず行動してきた。今の第三者委員会は何のためにあるのか疑問でならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題