日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

コロナ時代に考えたい学校問題【第128回】

NEWS

「情」だけでは続かぬ子ども食堂

 子ども食堂がコロナ禍の為に開けないために、提供される食材をやりくりして弁当を作って配布している。勿論、ボランティアでの運営である。そんな矢先に「女子力が高い」と評される教育評論家がつくるお弁当のニュースがアップされた。

 今夜も遅くに子ども食堂へ弁当を貰いに来る姉妹がいる。月に数回顔を出してくれる。1人親家庭なので母親の帰りを待つと食事が深夜になるようだ。

 コロナ禍により、給食がなくなった為に朝と夜の2食が普通になり、雇い止めにならないように母親は深夜まで働いているため姉妹の食事が安定しない。先週の24日には上手ではないが、手作りケーキも添えて渡した。

 「有り難うございます。有り難うございます」と、何度も何度も頭を下げて帰る姉妹の姿に、子ども食堂をやっている使命感よりも、怒りやこれから先の限界を私は感じてしまった。情だけではとても継続は出来ないからだ。

 その折に、「女子力の凄い弁当」を披露する教育評論家をニュースで見たので、なぜこうした評論家をマスコミは用いるのかと腸が煮えくり返ったイブとなった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題