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コロナ時代に考えたい学校問題【第139回】

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「鼻出しマスク」で失格

 茂木健一郎氏が「鼻出しマスク受験生」を失格としたことについて、「杓子定規のロボット試験監督による人権侵害」として憤慨しているという。自分の立場を明かして話すのだから、正論とお考えなのだろうが、試験を運営する側からしたら論外である。
 受験生それぞれの事情に応じてかなりの配慮をする意向を事前に通知してあり、当日、何度も注意をしても従わず、トイレに閉じ籠り警察が来るという、試験会場にあるまじき大騒ぎを起こした人物を人権侵害と指摘する茂木さんには驚いた。
 著名で自ら優秀と自負する脳科学者の判断基準が正しいとすれば、今日の試験で人生が変わるかもしれないという場を安心して運営するのが運営スタッフの職務である。ルールを守れない者を擁護する脳科学者の判断は明らかに安直としか言いようがない。何事も慎重に様々な立場を客観視してから、納得のいく意見を述べてほしかった。呆れた。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題