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コロナ時代に考えたい学校問題【第142回】

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支援学校教員の投稿、何が問題か

 「障害者の子、いない方がまし」、このような特別支援学校教員による投稿が問題にされている。処分を検討するとしているが、何をどう判断して処分するのか注目したい。こうした呟きは内心の現れで、ほとんどの教師は自己防衛もあって思ったこともあるはずである。
 以前、特別支援学校に関する仕事をしていたときの事である。性欲は通常の速さで発達するものの感情面や知的な発達はゆっくりの子どもが、身体の変化のままに性器を常に触ったり、すれ違い様に教職員の胸や股間を鷲掴みされる事がよくあったと事務職員が話してくれた。
 こうした体を張った教育現場にあってストレスは蓄積されていくのは当然である。この現状を変えられない教委や自治体の責任は問われないで、劣悪な状況における想定内の出来事を放置して、それに耐えられずに吹き出した愚痴のような言葉を公にした教員をどう処分するのだろうか。
 問題視されている特別支援学校教員が、自分の投稿が公になることを知らなかったのは、認識不足でありだれかに不利益が出たのであれば、その損失に対して償う必要はあるが、服務監督者や設置者も放置している責任が同等またはそれ以上に問われなければならない。
 当事者のみの処分では、本質は変わらない。同じようなことがまた起きる。内在している感情がまた不祥事となるのは分かりきった事である。これを変えるのは誰か。その権限を持っている人物に問うべきである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題