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コロナ時代に考えたい学校問題【第180回】

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「教育委員」という存在

 教育委員会議の構成員として教育委員が存在する。その人選や権限が分かりにくい。教育委員会事務局で適正な業務がされているかを監視する意味もあるが、その存在に疑問が長年投げ掛けられ続けている。
 ある委員と本音の会話をして驚いたというよりも合点がいった。担当から、ともかく「ハイ」と言ってくださればいいんです、と言われて長年委員を務めたそうで、申し訳ないと思って辞任したとのことであった。
 ある時、内申書の誤記入が騒ぎになった。責任者の処分があまりに偏っていたので、直接本人に確かめたところ「知らなかったし、報告もない」と話したのだ。すなわち、出された料理を「美味しゅうございます」とすれば、教育委員として高額の報酬を得ることになる。
 すべてがそうとは言わないが、こうした事実が教育を歪めていることは間違いがないし、そのトップが教育長なのだから、隠蔽も、お手盛りも、何でもありになりやすい体質が出来ている。こうさせないためにこそ、教育長の教育者としての真のリーダーシップに私は期待したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題