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高学年女子 困った時の指導法60

14面記事

書評

タイプ別でよくわかる!
宇野 弘恵 著
「おおかみ女子」らへの対応は

 若い頃に、中学校では女子の指導ができない担任は苦労する、という話を幾度となく聞いてきた。この現象が小学校に下りてきてから、もうどのくらいたつだろう。
 昭和の終わりごろに最後の6年を担任した評者も、高学年女子の大変さを覚えている。本書は高学年の女子のタイプを自立性と協調性の観点から、「いるか女子」「ひつじ女子」「おおかみ女子」「くじゃく女子」の四つに分けている。
 具体的には「いるか女子はしっかり者のお姉さん」や「ひつじ女子はほんわかやさしい同級生」「おおかみ女子は孤高のキャリアウーマン」「くじゃく女子は甘えん坊の小さな妹」などである。
 例えば、いるか女子と関係がうまくいかなければ、男性教師の学級経営は破綻するだろう。かといって持ち上げ過ぎれば、他の女子が嫉妬して、これまた破綻する。本書はこの四つのタイプ別にその対応や指導の留意点を述べている。
 本書を読みながら考えさせられた。
 高学年女子の特徴はどこにあるのか。著者は「高学年女子はおしゃべり」と指摘する。このおしゃべりに付き合えない担任が、女子と対立する憂き目に遭うのだろう。
 女子とおしゃべり(どのタイプとも)を楽しむ担任が、今求められているのだと思う。
(2009円 明治図書出版)
(庭野 三省・新潟県十日町市教育委員会教育委員)

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