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生徒指導~小学校段階での考え方~【第27回】

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褒められなかった子ども

 児童虐待の悲惨さは言葉にならない。さらに子が親を殺す。親が子を殺す。介護疲れで夫婦がと、幸せを目的に始まった関わりが真逆に向かうことが多すぎないか。未遂を含めたらとんでもない苦しみが社会に蔓延しているようにも感じる。さらに人身事故も当たり前になってはいないか。
 幼児期から小学校の間に褒められたことの多い場合は、心にゆとりもあり、それが人相にもにじみ出ている。その逆の場合は、顔の作りではなく、いびつな性根が顔から見てとれる。これまで万を越える面接をしてきたからかも知れない。AIがその域に来てはいるが、悪意は持つだけでも人相を変えてしまうのである。
 犯罪の容疑者の名前が画面に出たときに、名付けの思いとは掛け離れた姿になっていることを苦しく感じる。不幸になりたくて産まれた子どもはいない。そうされてしまったとは言えまいか。日頃、誉められているから叱られると身に染みるのである。この人として重要な土壌が出来るのが保幼小の時なのである。分かっていたらやることだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~