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生徒指導~小学校段階での考え方~【第136回】

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早期退職すべき教師も

 早期退職をした方がよい教師もいる。本人にとっても、子どもにとってもである。明らかに相互の不幸になっている場合は、私は、躊躇せずに考えを伝えて、本人と協議を重ねるようにしてきた。
 確かに安定した職から離れる不安はあるし、その後、どのように生きていけばよいのかなどの思案をしなければならない。だからといって、無理を承知で勤務するのは見過ごせない。

 では、具体的には、どのように話を持って行けばよいのだろうか。周りの皆さんは本音ではそうは思っていても、組合関連や不利益処分など、さらにはパワハラなどが気になり、具体的な話には踏み込めないで、たらい回しにされる事がほとんどではないだろうか。
 私は、よく事務官に、今辞めたらこの先生の退職金は幾らになるのかを計算させ、該当の教職員への再就職を含めて面談を重ね、御家族にも同席頂いた。

 辞められた後の補充は大変ではあったが、何とかやりくりして数人の方々が他の方面へ進まれた。その後も辞められた全員から近況報告も頂いている。辞めてもらってハイさよならでは、人の心は動かない。
 生徒指導の環境はまず教師の足元から整えねば勝負は出来ない。我が兄弟姉妹と思って気負わずに大誠実で対処すれば、自ずと道は拓けていた。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~