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コロナ時代に考えたい学校問題【第51回】

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学習の遅れ回復より大切なこと

 新型コロナによる弊害で起きている学力格差に、私どもはどのように対応すればよいのだろうか。ここで指摘したいのは、方法ではない。個々の実情であり心理状態に寄り添うことである。
 学校の機能が停止して、それでなくとも学習を不得手にしている児童生徒達の悩みは増加していることが容易に想像できる。
 教師は自己責任と手立てのなさから、プリントや宿題を出している傾向にある。それも配慮が尽くせないで一律に求めるのだから児童生徒はたまったものではない。
 私が指摘しているのは、個々の状況に寄り添って話を聞いて欲しいと言うことである。その上で、どのような学習が可能かをともに考えて欲しいのだ。
 今週から学校が再開した地域がある。今すべきは学習の遅れを取り戻すことではなく、安心と見通しを児童生徒そして保護者に与えることである。急いては事を仕損じる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題