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教師の相談室【第88回】

12面記事

指導力UP

紙のノートと端末どう使い分け

 【お悩み】 小学校の高学年の担任です。授業で端末を使う場面が増え、子どもたちは端末上でメモを取ったり、資料を整理したりしています。一方で、本校ではこれまで通りノートに板書を書き写し、学習をまとめる指導も続けています。そのため、ノートにまとめたのか、端末にまとめたのか、教師も子どもも分からなくなることがあります。授業では、紙のノートと端末上のノートをどのように使い分ければよいでしょうか。

 1人1台端末の配備によって、子どもたちの学習活動は大きく変化しました。その一方で、学習の方法と目的が逆転する場面も見られます。本来は授業のねらいに応じてデジタル端末を使うべきですが、端末を使うこと自体が目的になり、子どもの学びにゆがみが生まれていることもあります。
 例えば、授業の最後に端末で板書を撮影しただけで、内容を理解したように感じてしまう場合があります。学習のねらいに応じてどの媒体を選び、どのように記録や表現をさせるのかを改めて整理することが大切です。
 では、紙のノートには、どのような役割があるのでしょうか。いつでも立ち戻ることのできる学びの拠点になることです。アイデアを書き留めておく場にもなります。さらに、手で書くことで出力の速度をあえて落とし、じっくり考える時間を確保できるという良さもあります。
 一方、端末上のノートは入力が速く、インターネットなど多様なリソースを活用できること、クラス内で意見の共有や交流がしやすいことが特長です。情報を集めたり、考えを交流したりする場面で力を発揮します。
 このような特長を踏まえると、使い分けの基準は学習のねらいにあると言えるでしょう。
 例えば、授業のまとめのようにじっくりと考えさせたい場面では紙のノートを使い、文字や図を書きながら整理させます。反対に、短時間で意見をまとめたりアンケート形式で考えを集約したりする交流場面では、デジタルの良さが生きます。
 デジタル端末という便利な道具を効果的に使うためには、教師自身が授業の目的と方法をこれまで以上に明確にして臨むことが求められます。
 (宍戸寛昌・立命館小学校教諭)

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