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新大学入試に役立つ英検方式をわかりやすく解説したウェブサイト公開中

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企画特集

大学入試で活用できるのは4方式、英検IBAも4技能化
英検

 今年3月に独立行政法人大学入試センターより公表された「大学入試英語成績提供システム」参加要件の確認結果を受け、(公財)日本英語検定協会は、2020年度以降の新しい大学入試を経験するであろう現高校1年生、中学生、およびその保護者に向け、ウェブサイトを公開した(http://www.eiken.or.jp/)。そのサイトでは、2020年度以降の大学入試で活用できる4つの実用英語技能検定(英検)の実施方式について、詳細を確認することができる。

大学入試改革に対応する新方式の英検が認定

 「大学入学共通テスト」で大学受験をする場合、高校3年生の4月から12月までの期間に、あらかじめ受験者が申請した2回までの試験結果が「大学入試英語成績提供システム(以下、成績提供システム)」を通じて大学へ通知される。高校生にとって大学受験に際して英検をはじめとする外部検定試験を計画的に受験することは、希望する進路への道を開くカギとなる。
 今回の確認結果において認められた英検は、公開会場で4技能を2日間で測定する「英検2020 2days S―Interview」と、1日で4技能を測定する1日完結型「英検2020 1day S―CBT」、そして2018年からリニューアルされた1日で4技能を測定できる「英検CBT」であり、成績提供システムで活用できる。各方式の試験概要は次のようになっている。
 「英検2020 S―Interview」は公開会場で実施するもので、1~3級、高校3年生(高卒生を含む)を対象とする。一次試験は紙ベースの筆記試験「PBT」方式、面接は面接官との「対面式」で2日間で行う。
 「英検2020 1day」は、準1~3級、高校3年生(高卒生を含む)を対象とする。
 一次試験は「PBT」方式だが、面接はコンピュータを使った「録音式」となる。受験日数は1日となるのが特徴だ。
 「英検CBT」は、これまでの英検CBTをリニューアルしたもので、今年の8月より毎月実施している。対象は2~3級で、年齢や学年の制限はない。全てコンピュータを用いて受験する「CBT」方式で、スピーキングもコンピュータを用いた「録音式」となる。受験日数は1日で、13都道府県で実施中。
 これら3方式は「成績提供システム」において活用されるため、入試レベルのセキュリティも重視する。学校を会場とする準会場方式は、離島やへき地等を除き予定されていない。また、二次試験のスピーキングテストには1教室で受験する人数やヘッドセットの整備など、試験に集中できる環境づくりを進めていく予定だ。そのため受験料も新たに設定される予定で、決定次第、協会はすみやかにウェブサイトで周知を行うという。

「従来型」の英検も引き続き大学や中学、高校受験に有用

 一次試験の合格者が二次試験を受験する「従来型」の英検は、「成績提供システム」には参加しない。しかし、今後も全ての年代の人々の英語運用力向上のため、そして児童生徒にとっては入試に向けた準備、活用に欠かせない試験であることに変わりはない。
 「大学入学共通テスト」を介さない大学入試を実施する大学や、中学・高校では、「従来型」での取得級やスコアに対する優遇措置などが今後も続くと見込まれるからだ。
 現在、難関私立大学の一般入試をはじめ、全国330以上の大学はすでに「従来型」英検を入試に採用している。「従来型」で高校2年以前の早い段階で上位級を取得しておくことは生徒の進路の選択肢を広げることにつながるはずだ。
 学校を「準会場」としてリーズナブルに受験でき、受験回数に制限がない「従来型」は、今後も生徒の英語運用力の指標となるだけでなく、中学・高校入試での活用、英語学習そのもののモチベーション向上に役立つことなど、これまで通り意義は大きい。
 「英検2020 S―Interview」および「英検2020 1day」は、2020年度より始まる大学入学共通テストでの「成績提供システム」の利用者が受験できる。「英検CBT」は受験対象者に制限はない。詳細は、「英検2020」と協会ウェブサイトで検索し、確認することができる。

英検IBAも4技能化
生徒の伸びを手軽に測定し学校や自治体で活用

 中学や高校の現場では、2020年度以降に大学入試を迎える現高校1年生以降の生徒たちの4技能レベルを、早期に把握しておきたいという背景を受け、「英検IBA」が2019年4月より4技能化される。
「英検IBA」は英検のプレテストとして、また、生徒の伸びを手軽に測定できるプレイスメントテストとして学校や自治体単位で活用されてきた。
 従来のリーディングとリスニングの2技能測定に加え、ライティングとスピーキングのセットが選択できるようになる。スピーキングはタブレットPCを使用した「CBT方式」を採用した。これは大学入学共通テストに対応する「英検CBT」や「英検2020 1day」のスピーキング測定がCBT方式であることによる。「英検IBA」で事前にCBTを体験し、慣れておけばその後の受験の際に戸惑うことなく力を発揮できる。
 なお、ライティング・スピーキングのテストを導入しても、従来通り「英検IBA」の特長を受け継ぐ。▽英検の良質な過去問題から構成して学習指導要領に対応▽申込団体がいつでも手軽に比較的安価に英語力を測定可能▽英検の適切な受験級を把握できる▽技能別にスコアで伸長度を把握できる、などだ。
 授業の中で実施しやすい試験時間と価格設定は定期的な生徒の英語力測定に適している。学校や自治体にとって4技能向上施策の目標設定から実践、結果管理のPDCAサイクルに活用できる。

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