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「主体的・対話的で深い学び」を実現する社会科授業づくり

16面記事

書評

北 俊夫 著
授業の要件、モデル指導計画も

 本書は「主体的・対話的で深い学び」を中核に据え、「見方・考え方」や「資質・能力」「カリキュラム・マネジメント」と関連付けた社会科授業の在り方を提案している貴重な書である。
 Chapter01では、なぜいま「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業が求められているかを考察し、Chapter02で「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」それぞれの特質の解説とともに、三者の関係性を図化している。この図が大変分かりやすく、三つの学びの関わりがよく理解できる。
 Chapter03~05は、三つの学びについて、それぞれの学びをつくる際の授業づくりのポイントを提案している。一つ一つ丁寧に、具体的、実践的に記されている。Chapter06では「見方・考え方」「知識」の明確化、教科横断的な指導等、「主体的・対話的で深い学び」を支える授業の要件について、Chapter07では、今回の学習指導要領で新たに登場した教材・内容や重視されている学習事項を各学年から一つずつ選択し、モデル指導計画を紹介している。
 今回の学習指導要領は「資質・能力」をはじめ新しい用語が多く、理解が難しいとの声も聞かれる。本書は、教育現場で学習指導要領の趣旨に沿う授業づくりを行う際の強力な指南書である。校内研修等で活用したい。
(2160円 明治図書出版)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)

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