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生徒の自主性を促す英語教育~「English 4skills」活用の現場から~

9面記事

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登校直後でも、真剣に「English 4skills」に取り組む1年1組の生徒たち

 2020年度から、現行の「大学入試センター試験」に代わり、「大学入学共通テスト」が実施されることとなった。英語については、2023年度までは大学入学共通テストの問題と、英語4技能(話す、書く、読む、聞く)を総合評価する民間資格・試験問題を併用し、2024年度からは一本化することとされた。こうした変化の中、英語4技能のトレーニングと英検などの検定試験双方の学習をサポートする「English 4skills」の運用が、昨年度よりスタートしており、現在、各教育現場に広まっている。

英語4技能の学習と英検対策が導入の決め手
 東京都豊島区の学校法人城西学園城西大学附属城西中学・高等学校は、昨年2018年度、創立100周年を迎えた伝統ある学校。同校では、創立100周年に合わせ、同年度より「JOSAI Future Global Leader Program」をスタートさせた。このプログラムは、豊かな人間性を身につけるために、「基礎学力」・「語学力」・「国際感覚」の3つの力に重点をおき、日本だけでなく世界に羽ばたき、リーダーとして活躍できる人材育成を目的とした中高一貫の教育プログラムだ。
 このプログラムの大きなポイントは、中学3年・3学期時に全員参加で実施されるオーストラリアへの海外研修(語学研修&ホームステイ)。そのための基礎学力や語学力の向上・習得のためのタブレット導入に際して、同校では、(株)NTTドコモが開発し、サービス提供を始めた学校向け英語4技能オンライン学習サービス「English 4skills」の採用を決めた。
 採用の理由について、今回、話を聞いた同校英語科主任の森田亜美教諭は、「英語学習に必要な4つの技能(speaking<話す>、writing<書く>、reading<読む>、listening<聞く>)を学べること、そして英検に力を入れている学習内容であることの2つが大きな決め手でした」と話してくれた。

短時間でも効率的な学習が実現
 同校では、朝のホームルーム内で、およそ10分間の朝学習の時間を設け、英語、国語、数学の3教科の学習を曜日ごとに行っている。英語は週2回に設定され、そのうち「English 4skills」を使った学習は週1回実施されている。
 取材当日の朝学習の時間、1年1組担任の高橋嵩教諭のかけ声とともに、「writing・文法」の学習を始める生徒たち。タブレットの画面に映し出される並べ替えや入力問題に、タッチ操作や画面上のキーボードで次々と解答していく。まだ登校したばかりの生徒たちも、こうした朝学習の時間を設けることで、「これから勉強するぞ」という気持ちになるという。
 続いて、タブレットのスピーカーから流れてくるネイティブの英文を、生徒が実際に声に出して読み上げる「speaking」の学習では、脳が段々と活性化してきているのか、少しずつ声が大きくなり、最後には元気に英文を読み上げている声が聞こえてきたのが印象的だった。


「writing」の学習では、キーボードやペンを使って解答

オンライントレーニングで教員の負担も軽減
 「English 4skills」の特色の一つとして、英語4技能プラス文法のいずれの学習においても、その場で自動採点してくれる「オンライントレーニング」の搭載が挙げられる。生徒たちは問題を解けば、その場ですぐに採点をしてもらうことができ、自分自身がどのくらい理解できているのかを瞬時に知ることができるのだ。
 この自動採点機能は、教員にとっても大きなメリットといえる。採点や添削をアプリに任せることで教員側の負担が軽減される。特に「speaking」においてその効果が高いようだ。

たしかな学習効果と生徒の自主性の向上
 「English 4skills」を導入しておよそ1年半、生徒たちに起こった変化について、森田教諭に聞くと、「『English 4skills』を導入する前と、導入後の学年を比較すると、英検の取得率は上がっています」とのこと。
 同校では、以前から英検取得に向けての取り組みに力を入れており、各学年に目標級(中学1年=英検5級、中学2年=英検4級、中学3年=英検3級)を設定している。ただ、以前はどうしても英語が苦手な生徒の場合、中学2年の段階で英検5級を取ることができないこともあったという。だが、「English 4skills」を導入することによって、そうした生徒も減ってきているという。これは週1回の朝学習の時間だけでなく、「English 4skills」が、生徒の日々の英語学習として定着してきたことの裏づけでもある。
 「English 4skills」には、目標設定や学習履歴で日々の進捗管理を行う機能も搭載されている。例えば、英検の試験日を設定すれば、「今、どのくらいのペースで学習を進めることができているのか、あとどれだけ学習が必要なのか」を生徒自身が知ることができる。学習ペースが遅いと、残念な表情をした顔マークが画面に表示され、今の状況を教えてくれる。英検試験直前になると通常よりも積極的にアクセスしている生徒が増えるなど、まさに生徒たちの自主性を高める効果が生まれていると言えそうだ。
 また、「English 4skills」では、トレーニングの履歴のほか、生徒の現在のレベルや学習状況などを、教員が一覧で確認することができる。このような成績・学習進捗管理ができることで、必要に応じて、教員オリジナルの問題を生徒にオンラインで配信するなど、より効果的な生徒へのサポートが可能となる。

ICT教材の活用と英語教育の根底
 今回の「English 4skills」導入に関して、同校に子どもを通わせている保護者からの反応もよいとのこと。
 中学入試に関しては、生徒本人はもちろん、保護者が思う子どもの成長への希望や願いも大きい。「English 4skills」の活用をはじめとする同校の英語教育の取り組み方は保護者からの理解も得られているようだ。英検5級~英検準1級まで幅広く対応できる点も評価が高い。
 いま、英語教育は大きな変化の渦中にある。この変化に対応するためにも、「English 4skills」のようなICT教材は、今後さらに学校現場に浸透していくものと思われる。
 ただ、こうした変化の激しい時代にあっても、英語教育を行ううえで変わらないものがあると、最後に森田教諭は話してくれた。「大学入試がどういった形になろうとも、英語の勉強の根底は一緒です。4技能のベースや基礎をしっかり築き上げて、自分の目標に向かって進んでいくということは変わりません。また、『言語の学習は、声に出して繰り返す』というのはどんな時代になっても、どんなに便利なツールが出ても、言語を習得するには必要な過程です。だからこそ、生徒が自分でできるツールという意味で『English 4skills』は、今後も役に立っていくものだと思っています」

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