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教育の未来をつくるスクールリーダーへ

13面記事

書評

18人の識者が語る、これからの学校
「教職研修」編集部 編
多彩な分野の著名人が提言

 今、何が起こるか分からない時代が始まっている。未来はますますそうなるであろう。このような時代のスクールリーダーには、自ら主体的に考える力が必要である。
 本書は、月刊「教職研修」の2017(平成29)~2019(令和元)年の間の巻頭インタビューを抜粋して収録したものである。18人の識者は、心理学、生物学、政治学、文学、医学、科学コミュニケーション等の研究者や、元プロ陸上選手、映画監督、学長、社長等、各界で活躍されている著名人である。教育だけに特化しない多方面からの視点を学んだり、新しいことへの視野を広げたりすることができる。
 「多様性」を考える1章では、「人間みなチョボチョボ」「人生は99%失敗する」等の話も面白い。2章では、日本に根強い「間柄の文化」、「睡眠軽視」の問題、「男性学」等から「働き方改革」を考える。3章では、「ポスト真実」時代の教育、「動的平衡」から教育を考える等、変化する社会と教育を語る。4章は、「苦情」増加時代の学校のあり方等、5章は、「対話」とは何か、「AI翻訳で、英語学習は必要なくなるのか?」等である。
 教育の未来に有用な個々の語りは、どれも新鮮で引き込まれる。自校ではどうするか、自分は何をするか、と考え取り組むきっかけとなるであろう。これからのスクールリーダーに必読の書である。
(2200円 教育開発研究所)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)

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