西本　鶏介　作
黒井　健　絵

　山に囲まれた小さな町に一軒の帽子屋さんがあった。お店の棚には、山登りの帽子、野球の帽子、運動会の帽子などいろんな帽子が置いてあった。
　ある時、庭を眺めていると、木を上ったり下りたりするスズメがいた。尋ねてみると、運動会の練習をしているという。帽子屋さんは応援をしたくなり、スズメ用に赤い帽子を作ってあげた。
　運動会の日、スズメたちは一斉に飛び立つ。その光景を見た帽子屋さんは、他のみんなの帽子も作ってあげたいと思う。そして…。
　童話の素晴らしさは、スズメとだって話せて、友達になれるところ、と作者は言う。
　優しい気持ちが胸いっぱいに広がる絵本。（小学校低学年から）
（１４８５円　金の星社）
（Tel０３・３８６１・１８６１）