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教育デザイン研究の理論と実践

14面記事

書評

スーザン・マッケニー、トーマス・C・リーブス 著
鈴木 克明 監訳
研究者と実践者の連携で改善図る

 今、学校は教育改革の真っただ中にある。しかし、中央教育審議会は、今年1月、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」と題する答申を提出し、学校に新たな課題を提示した。教育課題を解決するための改革を躊躇なく進め、「令和の日本型学校教育」の実現を目指さなければならないと迫ったのである。
 では、学校はどのように取り組めばいいのだろうか。評者は、そうした学校の悩みに応えるのが本書であると考える。
 著者は、「教育デザイン研究」とは、科学的な研究方法と、教育的課題に対する解決策のシステム的な開発および実践とを組み合わせ、実証的な研究を学校現場で行い、学校が直面する複雑な課題に対する効果的な解決策の策定を目指すものであると説明する。
 つまり、研究者と実践者が手を携え、研究成果を共有し、研究者は研究者であると同時に実践者となり、実践者は実践者であると同時に研究の協力者となり、複雑な課題に対する効果的な解決策をつくり上げるのである。これからの時代、校内研究にも科学的なエビデンスは一層強く求められてくる。研究者と実践者が連携・協働して、学校教育の活性化を図るためにも、「教育デザイン研究」を追究する価値は多いにあると考える。
(3960円 北大路書房)
(新藤 久典・文部科学省学校業務改善アドバイザー)

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