ペク・ヒナ　作
長谷川　義史　訳

　作者は昨年、絵本界のノーベル賞といわれるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。本書は初期の作品で全編を紙で作った人形とミニチュア模型で構成している。
　本書に登場するのはアパートの住人。ある真夏の夜、皆が寝苦しいと感じ、窓を閉め、エアコンや扇風機をガンガン付けていた。その時、住人のおばあさんは、ポタポタ…と不思議な音に気付く。暑さのあまり、お月さんが溶け出したのだ。おばあさんはタライで月の滴を受け止め、それをシャーベットにしてみる。
　その後、電気の使い過ぎにより、アパートは停電。唯一明るいのは、月のシャーベットで光るおばあさんの家。皆が集まると、シャーベットを振る舞われる。
　溶けた月はどうなったのか…。
（１５４０円　ブロンズ新社）
（Tel０３・３４９８・３２７２）