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事例と動画でやさしくわかる!小学校プログラミングの授業づくり

14面記事

書評

Type_T・堀田 龍也 著
失敗恐れず、そこから学ぶ姿勢で

 先日、校内研修校で30分ほどプログラミング演習を先生方にしていただいた。あっという間に没頭する姿に変容した。まさに教師が体験し、その楽しさを味わい、有益性を享受することが、まずもって必要だと痛感した。運動会などのプログラムも、この「段取り」からできている。働き方改革も給食の配膳も同様な論理的思考力が必要とされている。仕事も家事も極力少ない労力で最大の効果を上げることで余裕が生まれる。
 プログラミングというカタカナを聞くと、難しいと感じる人がいるかもしれない。本書の最大の特徴は、「やさしくわかる」というタイトル通り、事例と授業動画で極めて平易に説明している点で、この難しいという感覚が解消されることだろう。
 まずは、基礎編と準備編をゆっくりお読みいただく必要がある。それにより、これまでのイメージがガラッと変わることになる。今までの価値観・教育観には、失敗をしないことを求めてきた面が少なからずあったが、プログラミング教育では「失敗させること」を考えなくてはなりません―と明言し、ゴールは違ってもよいと結んでいる。
 教育界は長く、「失敗から学ぶ」ような授業づくりの重要性を語りながらも、失敗しないことが求められるような空気があった。本書を契機に、私自身の積年の願いでもある「失敗から学ぶ」ことが、プログラミングを切り口に実現する予感がする。
(1980円 学陽書房)
(大久保 俊輝・亜細亜大学特任教授)

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